本尊縁起


永代供養 鳥取県 鳥取市 天台宗 観音院 観音院庭園
観音院 聖観世音菩薩 お前立ち

 城下の町割が大規模に行われた池田備中の守の頃{慶長6年(1601)~元和3年(1617)}城山・久松山の岩窟より霊光を放ち不思議なことがしばしばおこった。そのもとを探ってみると、霊光を放つ端麗な聖観世音菩薩像が現れ、行基の御作と称せられた。ただちに手厚く、城中の御櫓に安置されたが、尚も霊光を放つので、観音寺に移し「御城中・お守り観音」と敬い、御宝前に城内安全の祈願を施した。上町の現在地に移ってからは、藩の祈願寺となり「御城下御守り観音」として寺格の高い「八ヶ寺」に列した。
 このように、安置される壇が移るたびに大きな寺の御本尊となられるので、人々からは「出世観音」と崇められた。
  霊験あらたかなることからこの観音さまは「因幡観音霊場」一番札所、「中国観音霊場」三十二番札所のご本尊となり、御詠歌「曇りなき補陀落山の月影は、大慈大悲の慈眼なりけり」と詠唱されて善男・善女の手厚い信仰をあつめている。